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桜守とは

大学通りの桜並木

 東京都の国立市は、東京駅からJR中央線に乗って約45分、東京の西部に位置しています。文教地区に指定されていて、一橋大学をはじめとする学校の多い閑静な住宅地です。国立駅から南に真直ぐ2Kmほど伸びた大学通りは、幅が44mあり、町のメインストリートになっています。道の両側のグリーンベルトには、桜と銀杏の樹が交互に植えられていて、四季おりおり道行く人々を楽しませてくれています。新東京百景にも選ばれ、とても美しい通りです。この大学通りの桜並木も環境の変化などによって傷みはじめ、弱ってる木が目立ってきました。

桜の衰弱の現状

 昭和9年と10年に皇太子(現天皇)誕生を記念して大学通りにサクラが植樹されました。その後に枯れたり補植されたりして、現在大学通りのサクラの総本数は211本と言われています。当初からのサクラは既に樹齢約70歳になっています。
 しかし最近の、人口や車の増加によるサクラの生育環境の悪化により、枯れる寸前の樹も何本か見られるほど樹勢が衰弱してきました。太い枯れ枝や、大きな空洞を持つものも目立ってきました。コケやキノコの付着も増え、コスカシバの穿孔も多く見られます。
 酸性雨や、排気ガス、ヒ-トアイランド現象などの環境変化が、樹勢の衰えた原因と見られます。また、住宅地や商店街も近接しているので、落ち葉や下草がきれいに整理されたため、養分の不足や表層の土の乾燥も招いたと思われます。花見の宴会などで踏圧をかけ続けたため、固い土壌に変化したことも衰弱の大きな要因と考えられます。

樹勢の衰えたソメイヨシノ
樹勢の衰えたヤマザクラ

『くにたち桜守』が生まれた背景

 国立の大学通りとさくら通りの400本を超える桜並木は、市民に愛され誇りにされています。春には花のトンネルを毎年変わらず見せていたので、桜が上げる微かな悲鳴を聞き分けた人は多くはいませんでした。7年前に衰弱に気付いた時、呼び掛けに答えた人々が集まって根元を踏まれぬように草花を植え、生け垣を作り、トラックの荷台で削られた傷口に癒合促進・殺菌剤を塗布する活動が芽生えました。そんな地道な活動が行政を動かし、市民と二人三脚で行うボランティア組織『くにたち桜守』が2000年に誕生しました。(財)日本花の会、専門家の方々などを招いて基礎から勉強し、指導を受けて本格的な樹勢回復の活動を始めました。

『くにたち桜守』の目的

 特に傷みの激しい22本のサクラを選定し、数年~十年の長い期間をかけて樹勢を回復する活動に取り組んでゆきます。限られた予算の中で機械力や薬剤・化学肥料に頼らず、素人の市民ボランティアが容易に取り組めることなどを考慮した結果、EMを使用したサクラの樹勢回復法を採用しました。大学通りの疲れて固くなった土を、EMを利用してミミズが棲めるような土に改良することを考えています。自然界に存在する有用微生物(EM)の力で、米ぬか・もみ殻(枯葉・草など)を土壌改良の材料としてリサイクル活用します。すなわち、自然環境に優しい方法で衰弱したサクラを救い、次世代の子供たちに大学通りの素晴らしい生活環境と景観を引き継ぐのが第一の目的です。さらに発展させて国立市内の桜並木などを守り育て、自然環境を大切にするまちづくりを目指しています。

 

 
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